こんにちは!
今回は「職場でユーモアって本当に必要なの?」ということについて、ゆるゆると考えてみたいと思います。
ビジネス書やネットの記事を見ていると、「これからのリーダーにはユーモアが大事だ」みたいな話をよく見かけますよね。
でも、あれを見るたびに「いやいや、急にお笑い芸人さんみたいな面白いことなんて言えないよ」とプレッシャーに感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
私も人前で気の利いた面白いことを言うのによく失敗しますので、その気持ちはすごくよくわかります。
そもそも、仕事は真面目にやるべき場所との考えが根強く、ふざけていると思われたら嫌だなと感じるのが普通ですよね。
目次
ユーモアがあるリーダーは「27%」もやる気を引き出している?
とはいえ、海外の大学などの研究を見てみると、どうやら「ユーモアがあるリーダー」というのは、思っている以上にすごい成果を出しているらしいのです。
たとえば、スタンフォード大学の研究によると、ユーモアがあると周囲から思われているリーダーは、部下のやる気をだいたい27パーセントも高く引き出しているそうです。※1
さらに、仕事への熱意や貢献したいという気持ちも、約15パーセントほど高くなるというデータがあるみたいです。※2
27パーセントって、かなり大きな差ですよね。
それだけでなく、明るい雰囲気がある職場では、会社を辞めてしまう人の割合が約20パーセントも減るという結果まで出ています。※3
これを聞くと、「やっぱり無理してでも面白いギャグを言わなきゃいけないのかな」と思ってしまいそうになります。
でも、安心してください。
この研究で言っているユーモアというのは、お笑い番組のような「爆笑を狙うトーク」とは全然違うものなのです。
ユーモアの本当の正体は「完璧じゃないよ」というサイン
これをものすごくざっくり言うと、「私は完璧な人間じゃないので、安心して話しかけてね」というサインを出すことだと私は解釈しています。
これを「心理的安全性」と呼んだりします。
心理的安全性という言葉をものすごくざっくり言うと、「こんな初歩的な質問をしたら怒られるかも」とか「失敗を言ったらバカにされるかも」という不安がまったくない状態のことです。
たとえば、すごく厳格で一切冗談を言わない部長がいたとします。
その人に「すいません、ちょっとやり方がわからないのですが」と聞きに行くのは、誰だってめちゃくちゃ緊張しますよね。
まるで、学校で一番厳しい先生の職員室のドアを叩くときのような感覚です。
でも、もしその部長が「いやー、実はさっきパソコンのキーボードにお茶をこぼしちゃってさ」なんて自分の失敗を笑いながら話していたらどうでしょうか。
一気に肩の力が抜けて、「この人には正直に相談しても大丈夫かもしれないな」と思えますよね。
人間は、相手が少し隙を見せてくれたときに、初めて心を開くことができる生き物なのだと思います。
心理的安全性で生まれる3つの大きな変化
心理的な安心感が生まれると、働く人の意識にはいくつかの大きな変化が起きてきます。
- 仕事の失敗を過剰に怖がらなくなること
怒られるのが怖い環境だと、ミスは「恐怖」にしかなりませんが、和やかな環境だと「次はどうやって工夫しようか」という前向きな挑戦に変わっていきます。
- 素朴な疑問や新しいアイデアを気兼ねなく言えるようになること
「こんなこと言ったら笑われるかな」というブレーキが外れるので、チーム全体の風通しが良くなって、結果として新しい工夫や改善がどんどん生まれていきます。
- 仕事にぐっと夢中になれること
専門用語では「ジョブ・エンゲージメント」と言ったりしますが、要するに「やらされ仕事」ではなく、自分から活力や情熱を持って作業に没頭できるようになる状態のことです。居心地の良いカフェにいるときのほうが、読書や作業がサクサク進むのと少し似ているかもしれませんね。
だからこそ、ユーモアは単なる息抜きではなくて、チームの力を引き出すための大切なスキルだと言われているわけです。
今日からできる!正解のユーモアと間違ったユーモア
ただし、ここで一つだけ気をつけたいポイントがあります。
それは、人をからかったり、誰かの失敗をネタにして笑いを取ったりするのは絶対に違うということです。
誰かをいじって笑いを取るやり方は、場の空気を冷え込ませて、みんなの安心感を壊してしまいます。
そうではなくて、「自分自身のちょっとした失敗談」や、「仕事でありがちな失敗あるある」を話すだけで十分なのです。
「昨日、大事なところで噛んじゃってさ」といった日常の小さな失敗を笑いに変えることなら、特別なトーク技術がなくてもできそうですよね。
お笑い芸人さんのように、場をドッと沸かせるような気の利いたオチを用意する必要はまったくありません。
朝の挨拶のときに少し口角を上げてみたり、打ち合わせの最初に「今日も暑いですね」と笑顔で添えたりするだけでも、立派なユーモアだと私は思います。
完璧なリーダーを演じる必要はない
リーダーだからといって、常に完璧で威厳のある人を演じ続ける必要はないのかもしれません。
というわけで、もし職場の空気を良くしたいなと思ったら、まずは「最近やらかした小さな失敗」を一つだけ、笑顔で同僚に話してみるのはいかがでしょうか。
意外とそれだけで、周りの人も自分も、ずっと仕事がやりやすくなるはずですよ。
当協会ではどなたでもユーモア・スキルを磨くことのできる講座を開催しています。気軽にご参加ください。
※1. モチベーションと称賛度の向上(+27%) {出典:ジェニファー・アーカー&ナオミ・バグドナス(スタンフォード大学経営大学院)/ Fast Company}
※2. エンゲージメントの向上(+15%) {出典:ジェニファー・アーカー&ナオミ・バグドナス(スタンフォード大学経営大学院)/ Fast Company}
※3. 離職率の低下(約20%)と組織カルチャー {出典:Deloitte、Gallup / スタンフォード大学(Aaker & Bagdonas)}











