こんにちは!
今回は、最近よく考える「会社の働きやすさと、組織の熱量の関係」について書いてみたいと思います。
「社内のハラスメント対策や研修はしっかりしてるし、残業もすごく少ないです」
「1on1の実施率だって9割を超えています」
これ、一見すると、非の打ちどころがない「理想の職場」に見えますよね。人事のみなさんも、本当に頑張って制度を整えてきたのだと思います。
でも、なぜか現場から新しい提案やイノベーションが生まれない。
なんだか職場の空気が重くて、みんな「言われたことだけをやっている」感じがする。
こういうことって、ないでしょうか。
実は、多くの上場企業や大企業が、今、このような「外面は綺麗だけど、中身がともなっていない…」という静かな停滞に悩んでいる気がしています。
お互いに傷つかないために、あえて黙っておく。
そんな「お行儀の良い沈黙」が、職場のマナーになってしまっているのかもしれません。
目次
あなたの組織の「密度」チェックリストです
まずは、あなたの職場がどんな状態か、ちょっとしたチェックリストを作ってみました。
以下のような「静かな停滞のシグナル」が、職場にないでしょうか。
- 1on1は時間通りに終わるけれど、中身は当たり障りのない「お天気の話」や「最近どう?」というお行儀の良い雑談だけで終わっています。
- 会議で「何か新しいアイデアはありますか?」と聞くと、シーンとして1分以内に終わり、後からチャットで愚痴や評論だけが聞こえてきます。
- ハラスメント研修を頑張った結果、管理職が部下に対して「踏み込んだ指導」を避けるようになり、ただ放置するようになってしまいました。
- 会社の満足度調査では「働きやすさ」の数値がとても高いのに、新しい事業や業務の改善案はほとんど生まれていません。
もし2つ以上当てはまるなら、少し黄色信号かもしれません。
優しくて安全なはずのルールが、結果的にみんなの口を閉ざす原因になっている可能性があるからです。
「心理的安全性」という言葉が、組織をぬるま湯にする?
なぜ、制度を整えるほど、組織の熱量が下がってしまうのでしょうか。
その原因は、最近よく使われる「心理的安全性」という言葉の、ちょっとした誤解にあるような気がしています。
この言葉をものすごくざっくり言うと、「何を言ってもバカにされないし、怒られないという安心感のこと」です。
多くの人が、これを「お互いに気を遣い合って、アットホームで優しい職場を作ること」だと捉えているのではないでしょうか。
でも、ルールで縛ってお互いに否定しないようにするほど、実は「誰もリスクを取らないぬるま湯の組織」になりがちです。
これは例えば、友達同士で旅行の計画を立てる時に、お互いを気遣いすぎて「どこでもいいよ」「合わせるよ」と言い合って、結局どこにも行けないような状態に似ています。
誰かが「ここに行きたい!」と言って、別の人が「そこは遠いから、こっちにしようよ!」と、まともな意見のぶつかり合いができて初めて、楽しい旅行になりますよね。
本来の心理的安全性とは、まさにこれです。
成果を出すために「まともな衝突」ができる関係性のことを言うのだと思います。
「この人たちなら、ちょっと変な意見を言っても見捨てられない」という確信があるからこそ、人は初めて当事者として動き出すのですね。
正論で動かなくなった人たちを、どう動かすか
では、少し冷めてしまった職場の空気を、どうやって温めていけばいいのでしょうか。
そこで最近、一部の先進的な会社で注目されているのが、「インプロ」という思考を応用した体験型の研修です。
インプロとは、ものすごくざっくり言うと「台本のない、その場のやり取りで進める即興コメディ・演劇」のことです。
一般的な、スライドを見ながら「これはやってはいけません」と学ぶ研修とは違って、インプロの研修はとにかく「笑い合いながら、一緒に体験すること」を大事にしています。
従来の研修と、インプロ応用型研修の違いを、ちょっと比較してみました。
| 比較軸 | 従来の「正論・ルール型」研修 | インプロ応用型研修 |
| アプローチ | 禁止事項の提示や、正しいスキルの詰め込みをします。 | 「Yes, And(イエス、アンド)」という、相手を全肯定して自分のアイデアを乗せる体験をします。 |
| 受講者の状態 | 「怒られないように、目立たないようにしよう」と守りに入ります。 | 「あ、失敗しても笑い合えるから大丈夫だ」と、自分の素を出せるようになります。 |
| 職場に起きる変化 | ハラスメントを恐れて、みんなが黙り込んでしまいます。 | お互いを信頼して、本音で議論ができるようになります。 |
| 組織の密度 | 外面は綺麗になりますが、中身が形骸化して薄味になります。 | 泥臭い当事者意識が芽生えて、組織の密度がグッと上がります。 |
インプロの基本にある「Yes, And」というのは、相手の言ったことを一度「そうだね!」と受け入れて、そこに「だったら、こうしよう!」と自分の意見を乗せる会話のルールです。
これをワークショップで体験すると、みんな「正解を出さなきゃいけない」というプレッシャーから解放されます。
失敗しても、みんなで笑ってカバーし合う。
この泥臭い体験があって初めて、職場に戻ってからも、本音で意見をぶつけ合える関係が作れるのですね。
とはいえ、言葉だけで説明するのは難しいです
どれだけ立派な人事制度を整えても、それを受け止める職場の人間関係がカチカチに固まっていては、新しい挑戦という種は育ちません。
情報提供や禁止事項で終わるだけの研修から、一歩踏み出してみるタイミングかもしれません。
外面の綺麗さだけでなく、組織の「中身の密度」をもう一度引き上げる。
それこそが、今、人事企画やHRBP(人事のパートナーのような役割の人)に求められていることなのだと思います。
とはいえ、言葉だけで「インプロっていいんですよ」と経営陣や現場に説明するのは、すごく難しいですよね。
インプロの価値は、説明よりも一緒に「体験」することにこそあるからです。
そこで、まずは社内の仕組みを変える立場にあるあなた自身に、その熱量と、組織が変わる仕組みを体感してみてほしいなと思っています。
【人事・経営層向け】無料相談&ミニ体験会のご案内
実際の研修プログラムをギュッと凝縮した、人事責任者やHRBPの方向けの無料相談&ミニ体験会を実施しています。
- 対象となる方:組織のマンネリ化や静かな停滞に悩んでいる人事・教育・経営層の方です。
- 内容:コミュニケーションを変化させるロジックを学んだり、「Yes, And」のワークを実際に体感したりします。
- 参加方法:以下のリンクより、現在の組織の課題を簡単にご記入の上、お問い合わせください。
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※同業他社様のご参加はご遠慮いただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
というわけで、まずは自分の心を少し軽くして、新しいアプローチを楽しんでみてはいかがでしょうか。
何かの参考になれば嬉しいです!










