こんにちは!
今回は「笑い」関わる、ちょっと面白い研究について書いてみたいと思います。
「面白い話をしなきゃ」というプレッシャー
世の中のコミュニケーション本などを読んでいると、「会話にはユーモアが大切です」とか「気の利いた冗談で場を和ませましょう」みたいなアドバイスをよく見かけますよね。
でも、これって、地味にプレッシャーだったりしませんでしょうか。
「自分は芸人さんじゃないのに、そんなに面白い話なんてできないよ」と思ってしまう人も多いはずです。
飲み会や会議のアイスブレイクで沈黙が怖くなり、無理にウケを狙って空回りしてしまう、みたいな経験がある方もいるかもしれません。
そもそも、人間関係を心地よく保つために「爆笑を取るようなトーク力」は本当に必要なのでしょうか。
笑いの本当の意味は「味方のサイン」
実は、神経科学の世界を覗いてみると、まったく違った景色が見えてくるんです。
イギリスの神経科学者であるソフィー・スコットさんの研究 ※1 によると、笑いというのは単に「面白いことに反応している」だけではないようなんですね。
人は誰かといると「30倍」多く笑う
彼女の研究で特に興味深いのが、人は一人でいる時よりも、誰かと一緒にいる時の方が「30倍」も多く笑っているという事実です。
家で一人で動画を見ている時の笑いと、友達とファミレスでだらだら喋っている時の笑いを比べると、確かに後者の方が圧倒的に多い気がしますよね。
これはつまり、笑いという行為が「面白いかどうか」以上に、「私はあなたの味方ですよ」という合図として使われていることを示しています。
「あなたを理解しています」とか「仲間ですよ」という好意を伝えるための、生き物としてのサインなんですね。
緊張を半分に分け合う「感情の共同調整」
さらに面白いのが、笑いには「感情の共同調整」という働きがあるという点です。
これをものすごくざっくりいうと、「その場の気まずさやピンチを、一緒に笑うことで薄める仕組み」という意味です。
例えば、カフェで店員さんがお水を少しこぼしてしまって、「あ、すみません!」となった場面を想像してみてください。
そんな時に、こちらが「あ、全然大丈夫ですよ」と笑いかけると、一瞬で場の空気が柔らかくなりますよね。
あの瞬間、お互いのストレスが一気に下がって、「ここは安全な場所だな」と確認し合っているわけです。
笑いは一人で抱えきれない緊張を、二人で半分に分け合うための道具なのかもしれません。
「小さく笑う」だけで満点
とはいえ、「じゃあ常に愛想笑いをしなきゃいけないの?」と思うと、それはそれで疲れてしまいますよね。
無理に作り笑顔をしたり、相手に過剰に合わせたりする必要はまったくないと思っています。
私が提案したいのは、以下の3つのポイントです。
- 「面白いことを言おう」と力むのをやめ、見つけることを意識してみる
- 相手の話を聞いて「ふふっ」と笑うだけで十分
- 笑顔で反応するだけで「あなたを受け入れています」というシグナルは伝わる
自分が面白い話をして相手を笑わせる必要は全然なくて、相手の言葉に笑顔で反応するだけで一番大事なことはちゃんと伝わります。
まとめ
というわけで、今回は笑いの持つ不思議な力について考えてみました。
人間関係で大事なのは、洗練されたトーク技術ではなくて、「一緒にいて安心しています」という心理的安全性の高い空気感なのだと思います。
次に誰かと話すときは、面白いネタを用意するのではなく、「相手の話を聞いて、一緒に小さく笑えたらそれで満点」くらいの気持ちで試してみてはいかがでしょうか。
それくらい肩の力を抜いていた方が、案外お互いに心地よい関係になれる気がしています。
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参考文献・引用情報
※1 Sophie Scott.“Why we laugh”.TED.2015年3月.










