日本即興コメディ協会のブログ

13万年前からアップデートされていない?「安全圏から出ない組織」を劇的に変えるコミュニケーションルール

こんにちは!今回は、「会議でなかなかアイデアが出てこない問題」について、ちょっと考えてみたいなと思います。

会議で「何か新しいアイデアはないですか?」と聞いても、みんな下を向いてしまって、無難な意見しか出てこない。そんな状況に、「うちの社員は当事者意識が足りない!」と焦っている方もいるのではないでしょうか。

よく、「社員が挑戦しないのはマインドの問題だ」「だから意識改革の研修をやろう!」というアドバイスを聞きますよね。でも、これって本当に「やる気」の問題なんでしょうか?

この「安全圏から誰も出てこない組織」について、人間がそもそも持っている防衛本能という視点から、新しい見方を提案してみたいと思います。

挑戦しないのは「マインド」の問題?

即興演劇、「インプロ」の祖であるキース・ジョンストンが、すごく面白い言葉を残しているんです。

“There are people who prefer to say yes and there are people who prefer to say no. Those who say yes are rewarded by the adventures they have. Those who say no are rewarded by the safety they attain.”
(『イエス』と言う人はその冒険によって報われ、『ノー』と言う人はその安全性によって報われる。)
出典: Applied Improvisation Magazine Issue 2 (released November 2023), Applied Improvisation Network

これをざっくり言うと、「挑戦(イエス)すればワクワクが手に入り、挑戦しない(ノー)を選べば安心が手に入る」という意味です。現代の会社で、みんなが挑戦を避けているのは、単純に「ノー」って言ったときの「安全」というご褒美があまりにも大きいからなんですよね。

「最近の若手は意欲がない」って、よく言われがちです。でも、ちょっと想像してみてください。

もし過去に、勇気を出してアイデアを言ったのに、「それ前例ないよね」「予算ないから無理」と一瞬で「ノー」を突きつけられたとしたら、どうでしょう。次に会議に出たとき、「何も言わないこと(ノー)」が、自分の評価や居場所を守るための、一番賢い選択になっちゃいますよね。

つまり、彼らはサボっているわけじゃないんです。「何も言わない」という最適解を選んで、見事に「安全」を獲得しているだけなんです。

13万年前からアップデートされていない脳

なんで人間は、こんなにも「ノー(安全)」に惹かれてしまうんでしょうか。それは、私たちの脳の防衛システムが、13万年前の狩猟採集時代からアップデートされていないからなんです。

昔々、見たこともない紫色の怪しい木の実を見つけたとします。その時に「これは食べないでおこう(ノー)」と判断することは、命を守るために絶対に必要でした。

この防衛本能が、現代の職場で誤作動を起こしちゃっているんです。どういうことかというと、会議で新しいアイデアを出すことが、脳の中では「怪しい木の実を食べる」のと同じくらいの「命の危険」だと錯覚されちゃうんですね。

だから、人事の人が「うちの会社は心理的安全性があるから、どんどん意見言ってね!」といくら言葉で言っても、ダメなんです。私たちの原始的な脳は、「そんな言葉に騙されて怪しい木の実を食べたら死んじゃう!」と、警戒を解いてくれないんです。

体で覚える「ここは安全だよ」という感覚

「じゃあ、どうすればいいの?」って思いますよね。

脳の防衛システムを解除して、「ここは安全だよ」と分かってもらうには、言葉だけじゃなくて、「実際にやってみて大丈夫だった!」という成功体験を、体で覚えるしかないんです。

ここで面白くなってくるのが、インプロ(即興コメディ・演劇)で使われるYes, And(イエス・アンド)というルールです。これは、「相手の言うことを一度受け止めて(Yes)、さらに自分のアイデアを乗っける(and)」というやり方です。

さっきの怪しい木の実で例えると、「ノー」と拒絶するんじゃなくて、「いいね、その実! じゃあ、すり潰して絵の具にしてみよう!」と、乗っかってみる感じです。

インプロのワークショップのような、「絶対に何を言っても否定されない」という安全な場所で、あえて相手の変な提案に「イエス」と乗っかってみる。そうすると、「あ、意外と楽しいかも」「みんなで笑い合えた」という、ポジティブなご褒美がもらえます。

これを繰り返すことで、「ほら、恐れていたような危険はなかったでしょ?」と、脳に体感として教えてあげるんです。

「冒険のイエス」を選ぶ練習

もちろん、「イエス」と「ノー」、どちらが正解というわけではありません。でも、もし「安全なノー」ばかりを選んで、組織がこぢんまりしてしまっているなら。意図的に「冒険のイエス」を選ぶ練習をしてみるのも、いいんじゃないかと思います。

というわけで、「意識を変えろ!」と正論を詰め込む研修もいいですが、まずは組織に以下のようなアプローチを取り入れてみませんか?

  • 一緒に「Yes, and」を体感して、関係性を耕す
  • 安全な場所から一歩踏み出すための、ちょっとしたリハビリの場を作る
  • まずはあなた自身が、「Yes, and」の効果を体験してみる

社員のみんなも、本当はワクワクする冒険に出たがっているのかもしれませんよ。ただ、安全な場所から一歩踏み出すための、ちょっとしたリハビリが必要なだけなんだと思います。もし興味があれば、まずはあなた自身から、その一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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実際の研修プログラムをギュッと凝縮した、人事責任者やHRBPの方向けの無料相談&ミニ体験会を実施しています。

  • 対象となる方:組織のマンネリ化や静かな停滞に悩んでいる人事・教育・経営層の方です。
  • 内容:コミュニケーションを変化させるロジックを学んだり、「Yes, And」のワークを実際に体感したりします。
  • 参加方法:以下のリンクより、現在の組織の課題を簡単にご記入の上、お問い合わせください。

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※同業他社様のご参加はご遠慮いただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

というわけで、まずは自分の心を少し軽くして、新しいアプローチを楽しんでみてはいかがでしょうか。
何かの参考になれば嬉しいです!

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