日本即興コメディ協会のブログ

9割が退職を考えた?Z世代の部下を辞めさせない、上司のための「心理的安全性」と「失敗談」の効用

こんにちは!

今回は、最近よく聞く「Z世代の新入社員とどう向き合うか」について、ちょっと書いてみたいと思います。

特に、彼らが上司の「自虐ネタ」に意外と共感する、っていう話と、じゃあどうやって彼らのやる気を引き出したらいいんだろう?というテーマです。

完璧な上司、求められてますか?

新入社員が入ってくると、先輩や上司としては「しっかりしなきゃ」「なめられちゃいけない」「完璧な姿を見せないと」って、つい思っちゃいませんか。

僕もそういう気持ち、すごく分かります。

でも、もしかしたら、その「完璧さ」が、逆に彼らとの距離を作ってしまっているかもしれないんです。

最近のZ世代と呼ばれる若い人たちは、「本質性(オーセンティシティ)」っていうのをすごく大事にするそうです。

これをものすごくざっくり言うと、「ウソっぽくなくて、本物であること」みたいな感じです。

たとえば、会社のホームページには「風通しの良い職場です!」って書いてあるのに、実際に入ってみたら上司がめちゃくちゃ威圧的で、誰も意見を言えなかったら、「話が違うじゃん!」ってなっちゃいますよね。

こういうズレ(専門用語だと認知的不協和って言います)に、彼らはすごく敏感なんです。

【スライド動画】新入社員の受け入れ施策全体を変え、エンゲージメントを高める方法とは?

「自虐ネタ」が安心感を生む

そこで意外と効果的なのが、上司の「自虐ネタ」や「失敗談」らしいんです。

これ、ちょっと面白いですよね。

上司が「いやー、俺も新人の頃、こんな大失敗しちゃってさー」みたいに、自分の弱さや不完全さを見せること。

これを「脆弱性(ヴァルネラビリティ)の開示」と呼んだりするみたいです。

なんでこれが効くかというと、理由は2つあるかなと思います。

  • ひとつは、「あ、この人の前では失敗しても大丈夫なんだ」っていう安心感(心理的安全性)が生まれるからです。誰もミスを認めないピリピリした職場って、息苦しいですもんね。
  • もうひとつは、「この人、完璧を装ってなくて、人間らしいな」って思えるから。つまり、さっきの「本物っぽさ」を感じるわけです。

ガチガチに権威を振りかざす上司よりも、ちょっと弱みも見せてくれる人の方が、「この人と一緒に頑張りたい」っていうパートナーとして見てもらえるのかもしれません。

とはいえ、フィードバックが難しい

とはいえ、じゃあ弱みを見せて、優しくしてればいいのかっていうと、そう簡単な話でもないのが難しいところです。

彼らは成長したいっていう意欲もすごく強くて、ちゃんとフィードバックは欲しいんです。

でも、伝え方を間違えると、すごく落ち込んじゃったり、「人格否定された」って感じて、最悪の場合、辞めたいって思っちゃうこともあるみたいで…。

実際、調査によると、日本のだいたい9割のZ世代が、上司とのコミュニケーションが原因で「会社辞めたいな…」って考えたことがあるそうなんです。

これは、かなり深刻なギャップですよね。

良かれと思って言ったアドバイスが、全然響いてない。

うーん、どうしたらいいんでしょうか。

【スライド動画】新入社員の受け入れ施策全体を変え、エンゲージメントを高める方法とは?

「Yes, And…」で受け止めてみる

そこで、おすすめなのが「Yes, And(イエス・アンド)」という考え方です。

これはもともと、即興コメディ・演劇(インプロ)の世界で使われるルールで、普段のコミュニケーションにもめちゃくちゃ使えるんです。

どういうものかというと、

  • まず、相手の言ったことや、やったことを「Yes」と、一旦まるごと受け止めます。
  • その上で、「And(そして)」と、自分の意見やアイデアを付け加えていく、という技術です。

よくやっちゃうのが、「Yes, But…(うん、でもね…)」とか、いきなり「No(それは違う)」って言っちゃうパターンです。

脳科学的に見ても、「No」とか「but」って言われると、脳が「攻撃された!」って感じて、シャッターを下ろしちゃうらしいんです(扁桃体が刺激される、とのこと)。

せっかくのフィードバックも、シャッターが下りてたら入っていかないですよね。

具体的にはどうやるの?

例えば、部下や後輩が持ってきたレポートが、ちょっとイマイチだったとします。

従来のフィードバック(否定形):

「このレポート、データが不十分だからやり直して。」
(言われた方は「うっ…」となりますよね)

Yes, And… のフィードバック:

「(Yes)このレポート作るの時間かかったよね、ありがとう!」
「(And)その上で、このデータの見せ方を、もっとインパクトが出るように一緒に考えてみない?」

どうでしょう。

全然、印象が違いますよね。

まず「Yes」で努力や貢献を受け止めてもらえると、心理的なガードが下がります。

そうすると、次の「And」で提案される内容も、「自分のためを思って言ってくれてるんだな」って、前向きに聞きやすくなるんです。

「相手を輝かせる」っていう考え方

この「Yes, And」の根っこには、「Make Your Partner Look Good(相手を輝かせる)」っていう、すごく素敵な精神があるんです。

自分が正解を教えるんじゃなくて、相手が成功するように、相手が輝くようにサポートするっていうスタンスです。

新入社員が、ちょっと不器用な「自虐ネタ」とか、まだ不完全なアイデアを投げてきたとします。

それを「何言ってんだ」って否定するんじゃなくて、

「(Yes)お、そういう視点あるよね、面白い!」
ってまず受け取って、
「(And)じゃあ、こうしたらもっと良くなるかもね」
って返してあげる。

これって、キャッチボールみたいですよね。

相手が投げたボールを、まずしっかり受け取る。

それが、信頼関係の第一歩なんだと思います。

というわけで

今日は、Z世代の新入社員との向き合い方について、完璧さよりも「不完全さ」を見せることの大切さと、「Yes, And」っていう受け止め方について書いてみました。

完璧な上司を目指して背伸びするよりも、

「自分も完璧じゃないんだよね」って弱さも見せつつ、

相手が投げてきたボールを「Yes」でしっかり受け止めて、「And」で一緒に良くしていく。

これって、Z世代相手に限らず、誰とでも気持ちよく働くためのヒントになるんじゃないかなー、なんて思いました。

まずは、相手の話を「うんうん(Yes)」って、否定せずに聞いてみることから始めてみるのは、どうでしょうか。

こんな感じで、コミュニケーションに関するちょっとしたコツや考え方について、これからも書いていけたらなと思っています。

何か気になることや、取り上げてほしいテーマがあったら、ぜひ教えてくださいね。

企業の未来を担う新入社員たちに、「最高のスタート」を贈りませんか?当協会の「新入社員向け心理的安全チームビルディング研修」は、彼らがこれからのキャリアを築く上で最も大切な「人と信頼を築く力」を育みます。少しでもご興味がおありでしたら、気軽にお問い合わせください。

ではまた!

【スライド動画】新入社員向け心理的安全性チームビルディング研修のご紹介

関連記事一覧

PAGE TOP