日本即興コメディ協会のブログ

褒めるだけでは逆効果?新入社員のやる気を引き出す「3つの欲求」を満たす順番とは

こんにちは!
今回は、新入社員のやる気をどう引き出すか、みたいなテーマで書いてみようと思います。マネージャーさんや先輩社員の方から「最近の若い子は、どう接したらいいかわからない」「どうやったらモチベーションが上がるんだろう」なんて相談をもらうことが、たまにあるんですよね。

これ、すごく難しい問題ですよね。

「とにかく褒めろ」は本当?

よく、こういう時に言われるアドバイスってありますよね。「とにかく褒めて育てよう」とか「成長できる機会をたくさん与えるのが大事だ」みたいな。

もちろん、これらはすごく正しいことだと思います。誰だって褒められたら嬉しいし、成長したいって気持ちはありますから。

でも、なんだかうまくいかない時、ありませんか?

一生懸命褒めているつもりでも、なんだか相手に響いていない感じがしたり。「成長しろ」って言えば言うほど、相手がプレッシャーを感じて萎縮しちゃったり。

これって、なんでなんでしょうか。もしかしたら、もっと手前にある、すごく大事なものが見過ごされているのかもしれないな、と僕は思うんです。

【スライド動画】新入社員のオンボーディング全体を変え、エンゲージメントを高める方法とは?

まず満たすべき「3つの欲求」

会社に入ったばかりの新入社員って、ものすごく不安だと思うんですよ。右も左もわからなくて、専門用語は飛び交っているし、「自分、本当にここでやっていけるのかな…」って。

そんな時に、いきなり「成果を出せ!」とか「成長しろ!」って言われても、エンジンがかかる前の車に「走れ!」って言っているようなものなのかもしれません。

そこで僕が大事じゃないかなと思っているのが、「存在欲求」「貢献欲求」「成長欲求」という3つの欲求を、この順番で満たしてあげることです。

いきなり専門用語っぽいのが出てきちゃいましたね。ものすごくざっくり言うと、

  • 存在欲求:「ここにいてもいいんだ」という安心感
  • 貢献欲求:「自分も誰かの役に立っているんだ」という実感
  • 成長欲求:「もっとできるようになりたい」という意欲

こんな感じです。

まずは「存在欲求」。これは、自分がそのチームや会社の一員として受け入れられている、という感覚です。別に特別なことをしなくても、「君がここにいてくれて嬉しいよ」というメッセージが伝わることが大事なんです。

例えば、朝会った時に「〇〇さん、おはよう!」って名前を呼んで挨拶するとか。ちょっとした雑談をするとか。そういう些細なことで、「あ、自分はここにいていいんだな」って感じられる。これ、めちゃくちゃ大事な土台だと思うんです。

この土台ができて初めて、次の「貢献欲求」が生まれてきます。

「貢献欲求」は、誰かの役に立ちたい、チームに貢献したい、という気持ちです。いきなり大きな成果じゃなくていいんです。頼んだ資料のコピーを取ってきてくれたら、「ありがとう、すごく助かったよ!」って伝えるとか。議事録をまとめてくれたら、「おかげで話が整理できたよ、ありがとう」って言うとか。

自分のやったことが、誰かの「ありがとう」に繋がった。この小さな成功体験が、「自分もこのチームの役に立てるんだ」という自信になるんですよね。

そして、この2つが満たされて、心に余裕が生まれてくると、ようやく「成長欲求」が健全に育ってくるんだと思います。「もっと役に立ちたいから、スキルを身につけたい」「次はもっとうまくやりたい」という、内側からの意欲です。

順番が大事なんです。安心できる居場所があって、小さな貢献感があって、その先に成長がある。

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とはいえ、どうすればいいの?「Yes, And」のススメ

「なるほど、3つの欲求が大事なのはわかった。でも、具体的にどうコミュニケーションすればいいの?」って思いますよね。

そこで僕がおすすめしたいのが、「Yes, And(イエス・アンド)」という考え方です。

これはもともと、インプロ(即興コメディ・演劇)で使われる言葉ですが、ものすごくざっくりいうと「まず相手の言ったことを受け入れて(Yes)、その上で自分の考えを付け加える(And)」というコミュニケーションのルールです。

これ、普段の仕事にも応用できるんじゃないかと思っています。

例えば、新入社員が何か意見を言ってきた時。たとえそれが的外れだったとしても、いきなり「でも、それは違うよ」と否定する(これを「Yes, But」と言ったりします)のではなくて、まずは「なるほど、そういう考え方もあるんだね(Yes)」と一度受け止める。その上で、「そして(And)、こういう視点もあるかもしれないね」と付け加える。

これだけで、相手は「自分の意見を聞いてもらえた」と感じて、存在が肯定された気持ちになりますよね。まさに「存在欲求」が満たされる瞬間です。

仕事のフィードバックでも同じです。

「この資料、ありがとう。でも、ここがダメだった」と言われるのと、「この資料、ありがとう、助かったよ(Yes)。そして(And)、この部分をこうすると、もっとお客さんに伝わりやすくなると思うよ」と言われるのでは、全然印象が違います。

最初に感謝を伝えることで「貢献欲求」が満たされ、その上で前向きな提案をされることで、「次はもっとうまくやろう」という「成長欲求」に繋がりやすくなる気がしませんか。

というわけで

今回は、新入社員のエンゲージメントというテーマで、3つの欲求「Yes, And」の話をしてみました。

いろんな育成論やマネジメント手法がありますけど、小手先のテクニックに走る前に、まずは相手が安心して、自分の存在価値を感じられるような場を作ってあげることが、何より大事なんじゃないかな、と僕は思います。

いきなり完璧にやろうとしなくても、まずは否定せずに「なるほどね」って一度受け止めてみる、とか。小さな仕事に「ありがとう」って一言添えるとか。

そんなちょっとしたことから始めてみるだけでも、何かが変わるかもしれないです。

ひとつの考え方として、何か少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。

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