日本即興コメディ協会のブログ

波風を立てないのが「協調性」?「インプロ研修」で学ぶ、イノベーションを生むチームワークの本質「アンサンブル」という考え方

こんにちは!

今回は、チームで働くことのモヤモヤについて、少し書いてみたいと思います。

「もっとみんなで協力して、良いものを作りたいな」とか、「会議で活発な意見交換がしたいのに、シーンとしてしまう…」とか。そういうふうに感じることって、結構ありませんか?

私も、そういう場面をたくさん見てきました。

今回はそんな、チームの空気をちょっと軽くするかもしれない、「アンサンブル・マインドセット」という考え方についてお話ししたいと思います。

「チームワークが大事」って言われても…

よく、「チームワークが大事だ!」とか「心理的安全性を高めよう!」って言われますよね。

これはもう、ビジネス書を開けば必ず書いてある、殿堂入りのフレーズだと思います。

でも、これって言われる側からすると、結構プレッシャーだったりしませんか?

「チームのために、何かすごい意見を言わなきゃ」とか、「変なこと言って、空気を悪くしたらどうしよう…」とか。そう考えてしまって、結局何も言えなくなる。これって、すごく自然な感情だと思うんです。

心理的安全性って言葉は知っていても、「じゃあ、具体的にどうすればいいの?」ってところで、止まってしまうことも多いんじゃないでしょうか。

心理的安全性を醸成する「ビジネスパーソンのための Yes, And(イエス・アンド)実践ホワイトペーパー」(無料)

「アンサンブル」という考え方

実は、この「なんとかしなきゃ」という一人ひとりのプレッシャーを、すーっと軽くしてくれるヒントが、インプロ、即興コメディや演劇の世界にあります。

それが「アンサンブル」というマインドセットです。

これをものすごくざっくりいうと、「一人ひとりがスター選手を目指すんじゃなくて、みんなでパスを回しながら、グループ全体でいい感じのプレーを目指そうぜ!」という精神のことです。

サッカーで例えるなら、全員がスーパーエースを目指して無理にドリブルで突っ込むんじゃなくて、お互いの動きを見ながら、気持ちよくパスをつないで、結果的にチームとして点が取れたら最高だよね、みたいな感覚に近いかもしれません。

個人の才能が輝くことよりも、グループ全体の調和と成功をみんなで目指す。そういう考え方です。

「Yes, And」で世界は少し優しくなる

心理的安全性を醸成する「ビジネスパーソンのための Yes, And(イエス・アンド)実践ホワイトペーパー」(無料)

このアンサンブルの考え方には、チームの空気を変える、すごくシンプルで強力なルールがいくつかあります。

その中でも特に有名なのが、「Yes, And(イエス・アンド)」というルールです。

これは、相手の言ったことを「Yes(いいね!)」とまず受け止めて、そこに「And(そして、さらにこうするのはどうかな?)」と自分のアイデアを付け加えていく、というものです。

私たちは、会議とかで誰かが意見を言うと、つい「いや、でもそれは現実的じゃないよ」とか「そのやり方には、こういう問題があって…」みたいに、まず否定から入ってしまうことがあります。いわゆる「ブロッキング」というやつですね。

それを意識的に「Yes, And」に変えてみる。

例えば、誰かが「この商品の色、青がいいと思うんです」って言ったとします。

ここで、「いや、ターゲット層には赤の方が…」と言う代わりに、

「青、いいですね!そして、青をベースにして、差し色で赤を入れるのはどうでしょう?」みたいに返してみる。

たったこれだけなんです。

でも、自分の意見が一度「Yes」で受け止めてもらえるっていう安心感があるだけで、人は驚くほど発言しやすくなるんですよね。

失敗したら、みんなで拍手?

もう一つ、すごく面白い考え方があります。

それは「失敗は贈り物(mistakes are gifts)」というものです。

インプロ研修では、何かミスをしてしまった人がいたら、みんなで盛大な拍手を送る「失敗のおじぎ(Failure Bow)」というエクササイズがあります。

これって、すごくないですか?

普通、仕事でミスをしたら「すみません…」って謝って、ちょっと気まずい空気が流れますよね。でも、そこを「ナイスチャレンジ!」「いいデータ見つけてきたじゃん!」みたいに祝福する文化があったら。

失敗を恐れずに、色々なことに挑戦できる気がしませんか?

もちろん、本当に大きな損害が出るような失敗は防がないといけません。でも、新しいアイデアを出す過程での小さな失敗や、ちょっとした勘違いは、むしろ新しい発見のタネになることの方が多いのかもしれません。

心理的安全性を醸成する「ビジネスパーソンのための Yes, And(イエス・アンド)実践ホワイトペーパー」(無料)

いきなり会社では難しいですよね

とはいえ、明日から急に職場で「みんな!失敗したら拍手しようぜ!」「Yes, and でいこう!」なんて言っても、「この人、どうしちゃったんだろう?」って思われちゃいますよね(笑)。

わかります。すごくわかります。

だから、まずは自分一人で、こっそり始められることから試してみるのがいいと思うんです。

例えば、誰かが話している時に、心の中で「この話の”Yes”な部分はどこだろう?」って探してみる練習をするとか。あるいは、誰かの意見に対して、頭ごなしに否定するんじゃなくて、「なるほど、そういう考え方もあるんですね。ちなみに…」と、ワンクッション置いてから自分の意見を話してみるとか。

それだけでも、コミュニケーションの質は少しずつ変わっていくはずです。

実は、最近よく聞く「アジャイル開発」とか「デザイン思考」といった働き方は、このアンサンブルの考え方が土台にあると、すごくスムーズに進むんです。

もし、これらの手法を導入してもうまくいかないとしたら、それはやり方(アプリケーション)の問題じゃなくて、その土台となるみんなの心構え(OS)が、まだアップデートされていないだけなのかもしれません。

というわけで

というわけで、今日はチームの空気を変えるかもしれない「アンサンブル・マインドセット」というお話でした。

変化が激しくて、未来がどうなるか誰にもわからない時代です。

そんな中で、完璧な計画を立てて、その通りに進めるのって、もうほとんど無理ゲーに近いんじゃないかなって思うんです。

それよりも、計画通りにいかなくても、「おっと、こう来たか。じゃあ、こっちに行ってみようか」みたいに、チームのみんなでワイワイ言いながら、しなやかに進路変更できる方が、きっと強いし、何より働いていて楽しいですよね。

全員が完璧なスター選手じゃなくていい。

ちょっと足りないところは、お互いにパスを出し合って助け合えればいい。

そう考えると、チームで働くことへのプレッシャーが、少しだけ軽くなるような気がしませんか?

この記事が、チームでの働き方に悩んでいる誰かの、気持ちが少しでも楽になるきっかけになったら、とても嬉しいです。

インプロ研修についてもっと詳しく知りたい!と思ったら、気軽にお問い合わせくださいね。

それでは、また!


この記事のおすすめ無料資料

まずはここから!「Yes, And」(イエス・アンド)実践の基本
ビジネスの変革期を勝ち抜くための柔軟な思考と創造的なアプローチは不可欠です。本ホワイトペーパーでは、即興コメディの世界で生まれた「Yes, And」(イエス・アンド)の原則が、現代のビジネスシーンにおいていかに強力なツールとなりうるかを徹底解説します。

「ビジネスパーソンのための Yes, And(イエス・アンド)実践ホワイトペーパー」無料ダウンロード

    お名前 (必須)

    会社・団体名 (必須)

    メールアドレス (必須)

    個人情報保護方針に同意する (必須)

    個人情報保護方針

    メッセージ本文

    関連記事一覧

    PAGE TOP