こんにちは!
今回は、チームで働くことのモヤモヤについて、少し書いてみたいと思います。
「もっとみんなで協力して、良いものを作りたいな」とか、「会議で活発な意見交換がしたいのに、シーンとしてしまう…」とか。そういうふうに感じることって、結構ありませんか?
私も、そういう場面をたくさん見てきました。
今回はそんな、チームの空気をちょっと軽くするかもしれない、「アンサンブル・マインドセット」という考え方についてお話ししたいと思います。
目次
「チームワークが大事」って言われても…
よく、「チームワークが大事だ!」とか「心理的安全性を高めよう!」って言われますよね。
これはもう、ビジネス書を開けば必ず書いてある、殿堂入りのフレーズだと思います。
でも、これって言われる側からすると、結構プレッシャーだったりしませんか?
「チームのために、何かすごい意見を言わなきゃ」とか、「変なこと言って、空気を悪くしたらどうしよう…」とか。そう考えてしまって、結局何も言えなくなる。これって、すごく自然な感情だと思うんです。
心理的安全性って言葉は知っていても、「じゃあ、具体的にどうすればいいの?」ってところで、止まってしまうことも多いんじゃないでしょうか。
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「アンサンブル」という考え方
実は、この「なんとかしなきゃ」という一人ひとりのプレッシャーを、すーっと軽くしてくれるヒントが、インプロ、即興コメディや演劇の世界にあります。
それが「アンサンブル」というマインドセットです。
これをものすごくざっくりいうと、「一人ひとりがスター選手を目指すんじゃなくて、みんなでパスを回しながら、グループ全体でいい感じのプレーを目指そうぜ!」という精神のことです。
サッカーで例えるなら、全員がスーパーエースを目指して無理にドリブルで突っ込むんじゃなくて、お互いの動きを見ながら、気持ちよくパスをつないで、結果的にチームとして点が取れたら最高だよね、みたいな感覚に近いかもしれません。
個人の才能が輝くことよりも、グループ全体の調和と成功をみんなで目指す。そういう考え方です。
「Yes, And」で世界は少し優しくなる
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このアンサンブルの考え方には、チームの空気を変える、すごくシンプルで強力なルールがいくつかあります。
その中でも特に有名なのが、「Yes, And(イエス・アンド)」というルールです。
これは、相手の言ったことを「Yes(いいね!)」とまず受け止めて、そこに「And(そして、さらにこうするのはどうかな?)」と自分のアイデアを付け加えていく、というものです。
私たちは、会議とかで誰かが意見を言うと、つい「いや、でもそれは現実的じゃないよ」とか「そのやり方には、こういう問題があって…」みたいに、まず否定から入ってしまうことがあります。いわゆる「ブロッキング」というやつですね。
それを意識的に「Yes, And」に変えてみる。
例えば、誰かが「この商品の色、青がいいと思うんです」って言ったとします。
ここで、「いや、ターゲット層には赤の方が…」と言う代わりに、
「青、いいですね!そして、青をベースにして、差し色で赤を入れるのはどうでしょう?」みたいに返してみる。
たったこれだけなんです。
でも、自分の意見が一度「Yes」で受け止めてもらえるっていう安心感があるだけで、人は驚くほど発言しやすくなるんですよね。
失敗したら、みんなで拍手?
もう一つ、すごく面白い考え方があります。
それは「失敗は贈り物(mistakes are gifts)」というものです。
インプロ研修では、何かミスをしてしまった人がいたら、みんなで盛大な拍手を送る「失敗のおじぎ(Failure Bow)」というエクササイズがあります。
これって、すごくないですか?
普通、仕事でミスをしたら「すみません…」って謝って、ちょっと気まずい空気が流れますよね。でも、そこを「ナイスチャレンジ!」「いいデータ見つけてきたじゃん!」みたいに祝福する文化があったら。
失敗を恐れずに、色々なことに挑戦できる気がしませんか?
もちろん、本当に大きな損害が出るような失敗は防がないといけません。でも、新しいアイデアを出す過程での小さな失敗や、ちょっとした勘違いは、むしろ新しい発見のタネになることの方が多いのかもしれません。
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いきなり会社では難しいですよね
とはいえ、明日から急に職場で「みんな!失敗したら拍手しようぜ!」「Yes, and でいこう!」なんて言っても、「この人、どうしちゃったんだろう?」って思われちゃいますよね(笑)。
わかります。すごくわかります。
だから、まずは自分一人で、こっそり始められることから試してみるのがいいと思うんです。
例えば、誰かが話している時に、心の中で「この話の”Yes”な部分はどこだろう?」って探してみる練習をするとか。あるいは、誰かの意見に対して、頭ごなしに否定するんじゃなくて、「なるほど、そういう考え方もあるんですね。ちなみに…」と、ワンクッション置いてから自分の意見を話してみるとか。
それだけでも、コミュニケーションの質は少しずつ変わっていくはずです。
実は、最近よく聞く「アジャイル開発」とか「デザイン思考」といった働き方は、このアンサンブルの考え方が土台にあると、すごくスムーズに進むんです。
もし、これらの手法を導入してもうまくいかないとしたら、それはやり方(アプリケーション)の問題じゃなくて、その土台となるみんなの心構え(OS)が、まだアップデートされていないだけなのかもしれません。
というわけで
というわけで、今日はチームの空気を変えるかもしれない「アンサンブル・マインドセット」というお話でした。
変化が激しくて、未来がどうなるか誰にもわからない時代です。
そんな中で、完璧な計画を立てて、その通りに進めるのって、もうほとんど無理ゲーに近いんじゃないかなって思うんです。
それよりも、計画通りにいかなくても、「おっと、こう来たか。じゃあ、こっちに行ってみようか」みたいに、チームのみんなでワイワイ言いながら、しなやかに進路変更できる方が、きっと強いし、何より働いていて楽しいですよね。
全員が完璧なスター選手じゃなくていい。
ちょっと足りないところは、お互いにパスを出し合って助け合えればいい。
そう考えると、チームで働くことへのプレッシャーが、少しだけ軽くなるような気がしませんか?
この記事が、チームでの働き方に悩んでいる誰かの、気持ちが少しでも楽になるきっかけになったら、とても嬉しいです。
インプロ研修についてもっと詳しく知りたい!と思ったら、気軽にお問い合わせくださいね。
それでは、また!
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