こんにちは!
今回は「オンラインの新入社員研修で、最初の一歩として何を大事にするといいんだろう?」ということについて、少し書いてみたいと思います。
コロナ禍以降、新入社員研修をオンラインで実施している企業も一定層いらっしゃいますよね。当協会もオンライン新入社員研修のお仕事を毎年いただいております。でも、オンラインって独特の難しさがありませんか。研修をやる側も、受ける新入社員のみなさんも、なんだか手探りな感じがします。
目次
オンライン研修で「積極的に」って言われても、結構むずかしくないですか?
よく「オンラインでも積極的に発言しよう!」とか、「主体的に参加することが大事です!」なんてアドバイスを聞きます。
もちろん、それはその通りなんです。でも、いきなりそう言われても、新入社員の方からすると「えっ、どうすれば…?」って戸惑ってしまうんじゃないかな、と思うんです。
特に、周りの人の反応が見えにくいオンラインの場で、最初に発言するのって、めちゃくちゃ勇気がいりますよね。「変なこと言ったらどうしよう」とか、「シーンとしちゃったら気まずいな」とか、考えれば考えるほど、どんどん話しにくくなってしまいます。
これって、研修を設計する人事の方も、参加する新入社員の方も、お互いがちょっとした不安を抱えている状態なんだと思うんです。
研修する側は「なんとか場を盛り上げなきゃ」というプレッシャーを感じていて、参加する側は「何か発言しなきゃいけないのかな」というプレッシャーを感じている。お互いが気を遣い合った結果、なんだかギクシャクした空気になってしまう…なんてことは、結構「あるある」なのではないでしょうか。
>【スライド動画】新入社員のオンボーディング全体を変え、エンゲージメントを高める方法とは?
まず試したい、たった一つのルール「Yes, And (イエス・アンド)」
そこで、オススメなのが当協会が研修で取り入れている考え方なんです。
それは、インプロ(即興コメディ・演劇)のトレーニングで使われる「Yes, And」という考え方を、研修の基本ルールにしちゃう、というものです。
「Yes, And」をものすごくざっくりいうと、「まず、相手の言ったことを『Yes』と受け止めて、その上で『And』で自分の意見やアイデアを付け加えていく」というコミュニケーションのやり方です。
これを研修の最初に「この場の共通ルールにしましょう」と提示しやってみることで、「ここでは何を言っても否定されないんだ」という空気が生まれます。
これがいわゆる「心理的安全性」というやつですね。これもすごく簡単に言うと、「この場所なら、安心して自分の意見を言えるな」と感じられる状態のことです。この安心感が、活発なコミュニケーションの土台になるんです。
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ルールよりも大事かもしれない、「目に見えるリアクション」
とはいえ、ルールを決めるだけでは、まだ少し足りないかもしれません。
オンラインのコミュニケーションで、もう一つすごく大事なことがあるんです。それは、「目に見えるリアクション」です。
ちょっと想像してみてほしいのですが、もしあなたが一生懸命にプレゼンをしている時、聞いている人たちが全員、カメラをオフにしていたらどう感じますか?なんだか、壁に向かって一人で話しているような、すごく寂しくて、不安な気持ちになりますよね。
では、全員がカメラをオンにしていれば安心かというと、実はそうでもないんです。みんながカメラをオンにしてくれていても、全員が真顔で、何の反応もなく、じーっと画面を見つめていたら…。それはそれで、ものすごいプレッシャーじゃないですか?「え、もしかして、すごくつまらない話をしちゃってる…?」って、どんどん自信がなくなってしまいます。
対面で会っている時って、私たちは相手のちょっとした表情の変化とか、相槌とか、身振り手振りとか、たくさんの情報を受け取っています。でも、オンラインだと、その情報がすごく少なくなってしまうんです。
だからこそ、私たちはいつもより少しだけ「大きく」反応してあげる必要があるんです。
- 誰かが話している時に、うんうんと大きく頷いてみる。
- 「なるほど!」と思ったら、リアクションボタンを押してみる。
- 「へぇー!」とか「面白いですね!」とか、短い言葉でいいので、あえて声に出して相槌を打ってみる。
こういう小さな、本当にささいなリアクションが、話している人にとっては「あなたの話、ちゃんと聞いていますよ」「届いていますよ」という、何より嬉しいサインになるんです。
というわけで、今回のまとめです
とはいえ、いきなり「今日からリアクションを大きくしましょう!」と言われても、慣れないうちは恥ずかしかったり、疲れてしまったりするかもしれません。
だから、これも研修のいちばん最初に、グランドルールとしてみんなで共有しちゃうのがおすすめです。「この研修の期間中は、いつもよりちょっとだけオーバーにリアクションすることを、みんなで意識してみませんか?」「頷きとか、チャットとか、リアクションボタンとか、どんどん使っていきましょう!」みたいに、最初に伝えて、実際にやっておくんです。
というわけで、今回はオンラインの新入社員研修で、初期段階に意識すると良さそうなことについて書いてみました。
何か特別なスキルを身につける、というよりは、「大きく頷いてみる」とか「リアクションボタンを押してみる」みたいな、誰でも今すぐにできる、ほんのちょっとした行動から始めてみる。
その小さな積み重ねが、お互いの安心感をつくりだし、結果的に研修全体の効果を高めたり、新入社員のみなさんが会社に馴染んでいくプロセスを、よりスムーズなものにしてくれるのかもしれないですね。
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ではまた!