日本即興コメディ協会のブログ

インプロ研修とは?【企業向け完全ガイド】メリット・効果・やり方・事例まで徹底解説

こんにちは!

今回は、私たちの原点「インプロ研修」について書いてみようと思います。

企業研修っていうと、なんかこう、会議室で資料見ながら講師の話を聞く、みたいなイメージ、ありませんか?もちろんそういう研修も大事なんですけど、ちょっと変わったアプローチとして注目されているのが、この「インプロ研修」なんです。

でも、「インプロって何?」「コメディ?演劇?」「なんか難しそう…」って思う方もいるかもしれません。わかります、その気持ち。ちょっと聞き慣れない言葉ですもんね。

今回は、そんなインプロ研修について、なるべく分かりやすく、企業で導入するとどんないいことがあるのか、なんてお話ができればなと思っています。

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インプロ研修って、そもそも何なの?

まず、「インプロ」っていうのは「インプロヴィゼーション(Improvisation)」の略で、日本語だと「即興」って意味です。

インプロ研修は、この即興コメディや演劇(インプロ)の手法をベースにした研修プログラムのことなんですよ。

ものすごくざっくりいうと、台本なしで、その場の状況や相手の反応に合わせて、協力しながらお話やシーンを即興で作っていく感じです。

「え、コメディや演劇なんてやったことないし、恥ずかしい…」って思った方もいるかもしれませんが、大丈夫です。ここでいうインプロ研修の目的は、上手な役者さんになることじゃないんです。(役者さん向けの研修をそのままやっているものもあるようですので、そこは目的が内容と合致しているか要注意ですね)

「応用インプロ」って言うんですけど、ここでは「(企業向けの)インプロ研修」として紹介します。「インプロ」という言葉を使わずに研修を実施することもあります。

「インプロ研修」の目的は主に、

  • コミュニケーションスキルを上げること
  • チームワークを良くすること
  • 新しいアイデアを生み出す力を養うこと
  • 変化に柔軟に対応できるようになること

こういう、ビジネスの現場でもすごく大切なスキルを、座学じゃなくて「体験」を通して楽しく身につけていこう!っていうのが、インプロ研修なんですね。

企業がインプロ研修を導入するメリットって?

じゃあ、企業がこのインプロ研修を取り入れると、具体的にどんないいことがあるんでしょうか?いくつか挙げてみますね。

1. チームビルディングが進む!

インプロって、とにかく「相手と協力すること」がめちゃくちゃ大事なんです。相手の言ったことやアイデアを否定しないで、「いいね!(Yes)、そして(And)こうしてみよう!」って感じで、どんどん繋げていくんですね。これを「Yes, And」の精神って言ったりします。

これを繰り返していくと、自然とお互いを尊重し合う雰囲気とか、安心して発言できる空気が生まれてくるんです。まさにチームビルディングに繋がるわけですね。

2. 創造性が刺激される!

「Yes, And」でアイデアを繋げていくと、予想もしなかった面白い方向に話が進んだりします。普段なら「そんなの無理だよ」って言っちゃいそうなアイデアも、一旦受け入れてみることで、新しい可能性が見えてくることがあるんですよね。

これが、新しい企画を考えたり、問題を解決したりする時の創造性を刺激してくれるんです。

3. 心理的安全性を高める

インプロの場では、「失敗」っていう概念があんまりないんです。というか、むしろ予想外のことが起こるのを楽しむ、みたいな空気感があります。

これって、心理的安全性に繋がる考え方だと思うんですよね。

心理的安全性っていうのは、ものすごくざっくりいうと、チームの中で「こんなこと言ったら怒られるかな?」とか「バカにされるかな?」って不安に思わずに、安心して自分の意見を言える状態のことです。

インプロ研修を通して、失敗を恐れずにチャレンジする経験を積むことで、職場でも安心して発言したり、行動したりしやすくなるかもしれません。結果的に、それがストレス軽減に繋がる可能性もあるんじゃないかな、と思います。

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インプロってどうなの?

ちなみに、インプロって別に怪しいものとかじゃなくて(笑)、エンターテイメントの世界ではすごく歴史があるんです。

例えば、アメリカのシカゴにある Second City(セカンド・シティ)とか、ニューヨークやロサンゼルスにある Upright Citizens Brigade (UCB)、サンフランシスコの BATS Improv なんかは、世界的に有名なインプロの劇場兼養成所です。

こういうところから、たくさんの有名なコメディアンや俳優さん、脚本家なんかが生まれているんですよ。ティナ・フェイとか、ビル・マーレイとか、聞いたことある人もいるかもしれませんね。

彼らが学んだインプロのメソッドが、実はビジネスの世界にも応用できるぞ!ということで、企業研修にも取り入れられるようになってきた、という背景があるんです。

Second City の幹部2人が書いた「なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?」やスタンフォード大学の教授が書いた「ユーモアは最強の武器である―スタンフォード大学ビジネススクール人気講義」なんて本も出ています。興味があったらぜひ読んでみてください。

どんな感じでやるの?

「具体的にどんなことするの?」って気になりますよね。

多くの場合、専門のファシリテーターがいて、その人のガイドで進められます。

最初は、緊張をほぐすための簡単なゲームから始まることが多いです。例えば、輪になって名前を言い合うゲームとか、簡単な言葉の連想ゲームとか。

そこから少しずつ、ペアやグループになって、短いシーンを作ってみたり、与えられたお題で即興の対話をしてみたり、といったエクササイズに進んでいきます。

大切なのは、上手くやろうとすることよりも、「やってみる」こと、そして「楽しむ」ことです。評価される場ではないので、リラックスして参加できるのがいいところですね。

とはいえ、導入ってハードル高くない?

ここまで聞いて、「なるほど、面白そうかも」って思った方もいれば、「いやいや、うちの会社、シャイな人多いし、絶対みんな嫌がるって…」「演劇なんて、なんか意識高い系って思われそう…」って感じた方もいるかもしれません。

その気持ち、すごくよく分かります。いきなり「明日からインプロ研修やります!」って言われたら、戸惑う人もいますよね。

でも、さっきも言ったように、インプロ研修は「演技力」を競うものじゃないんです。目的はあくまでコミュニケーションとか、チームワークとか、そういう部分を良くしていくこと。

それに、多くのインプロ研修は、参加者が安心して楽しめるように、すごく工夫されています。無理やり前に出されたり、恥ずかしい思いをさせられたりすることは、基本的にはないはずです。(もしそういう研修だったら、それはちょっとファシリテーターのやり方が良くないかも…)

最初は簡単なゲームから始めることが多いですし、「演劇」っていうよりは、「コミュニケーションを使ったゲーム」みたいな感覚に近いかもしれません。意外と、やってみると「あれ?思ったより楽しいかも」ってなる人も多いんですよ。

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導入事例もご紹介します

正直、「インプロや心理的安全性って言われても、結局どうすればいいの?」って、ぼんやり思っている人も結構いるんじゃないでしょうか。

じゃあ、実際に心理的安全性を高めるために、具体的にどんなアプローチがあるんだろう?って考えた時に、すごく参考になる事例をご紹介します。

それが、武蔵野総合病院さんで行われた研修の事例です。病院って、命に関わる情報を正確に共有することがめちゃくちゃ大事な場所ですよね。そこで「心理的安全性」の研修をやったっていうのが、まず興味深いところです。


  > 本事例について詳しく知りたいという方は、雑誌「医療事務」のバックナンバーをご参照ください


この研修は、企画を株式会社ユカリアさんが担当されて、実際に研修を行ったのは一般社団法人日本即興コメディ協会です。参加したのは、病院で働く主任以上の管理職の方々、29名でした。

研修の目的は、「正しい情報共有の促進」と「従業員エンゲージメントの向上」でした。当たり前ですが病院では、情報共有とか、みんなが気持ちよく働けるか、みたいなことが重要視されているんですよね。

で、研修の内容が面白いんです。「心理的安全性を高める要素」として、「他者への心遣い、配慮、共感」とか、「声のトーン、顔や目の表情などの言葉以外の手がかりで感じる力」みたいなところに焦点をあてたインプロのエクササイズをやりました。

これ、すごく具体的な感じがしませんか?「心理的安全性って、結局はこういう日々のちょっとした『心遣い』とか、相手の『表情をちゃんと見る』みたいなところから始まるんだよ」って、ハッとされた方も多いのではないでしょうか。

なんか、「心理的安全性」って聞くと、ものすごく壮大な組織論とか、難しい会議のやり方みたいなイメージを持っちゃうこともありますが、実はもっと身近な、目の前の人への配慮とか、コミュニケーションのスキルに関わる部分が大きいのです。

研修を受けた方のアンケート結果も興味深いものでした。まず、85%の人が心理的安全性を「よく理解できた」または「理解できた」と答えています。これはすごいですよね。難しい概念も、具体的なエクササイズを通して体感すると、ストンと腹落ちするのかもしれません。

さらに、「すぐに今後のコミュニケーションに活かしていきたい」と答えた人が82%もいらっしゃいました。これも、単なる知識として学んだだけじゃなく、実践できるイメージが湧いたからなのかな、と感じます。

面白かったのは、研修前の自己認識について。「心理安全性のあるコミュニケーションが『それほどなかった』『全然なかった』」と答えた人が41%いたということです。これは、多くの人が「自分はまだまだだな…」と感じていたということですよね。

でも、研修を受けた後には、82%の人が「すぐに実践したい」「できれば活かしたい」と回答しています。この変化、すごくないですか? 研修を通して、「あ、こういうことだったのか!」「これなら自分にもできそう!」という手応えを感じられたからこその変化なんじゃないかなと思います。

さらに、「他の職種・職位の人も受けたほうがいい」と答えた人が92%もいて、そのうちの多くが「全員受けた方がよい」と答えてくれました。これは、研修内容の満足度だけでなく、「これは自分たちだけでなく、組織全体にとって必要な学びだ」と感じた人が多かった、ということですよね。

というわけで、この事例は、心理的安全性って、単なるお題目じゃなくて、もっと具体的で、日々のコミュニケーションの積み重ねで作られていくものなんだよ、ということを改めて感じさせてくれる事例でした。

その他の事例紹介記事

 > 導入事例(参加者アンケート結果あり):日私小連東京地区教員研修会

 > 【実施レポート】ウェビナー「心理的安全性に基づく共創的コミュニケーションとは」@株式会社電通様

というわけで:導入を考えている企業の方へ

もし、「うちの会社にもインプロ研修、いいかもしれないな」って少しでも思ったら、まずは体験会とか、短い時間のワークショップから試してみるのがいいかもしれませんね。

いきなり全社導入!とか、大きな研修プログラムを組むんじゃなくて、まずは興味のある部署とか、新しいチームとかで、小さく始めてみるのがおすすめです。

そこで、参加した人たちの反応を見ながら、少しずつ広げていくかどうかを考えてみるのが、現実的な進め方かなと思います。

大事なのは、「完璧な研修を導入しなきゃ!」って気負うことじゃなくて、「ちょっと試してみようか」くらいの軽い気持ちで始めてみることかもしれません。

そして、もし導入するなら、参加する人たちが「楽しかった!」「なんかチームの雰囲気良くなったかも」って思えるような、ポジティブな体験になるように、場の雰囲気作りを大切にしてあげてくださいね。

インプロ研修は、従来の研修とはちょっと違う、ユニークなアプローチです。でも、もしかしたら、皆さんの会社のチームビルディングやコミュニケーションに、新しい風を吹き込んでくれる面白い選択肢になるかもしれません。

スキルや知識だけじゃなくて、チームの「あり方」とか「関係性」みたいな、もっと根本的な部分に、じんわり効いてくる感じ。そんなイメージを持ってもらえると嬉しいです。


よくある質問(FAQ)

最後に、インプロ研修についてよく聞かれる質問をまとめてみました。

Q1: インプロ研修って具体的に何ですか?

A1: インプロ研修は、即興のコメディや演劇(インプロ)の手法を使った体験型の研修です。台本なしで、その場で相手と協力しながらシーンを作ったりするエクササイズを通して、コミュニケーション能力、チームワーク、創造性、柔軟性などを養うことを目的としています。

Q2: 企業でインプロ研修を導入するメリットは何ですか?

A2: 主なメリットとしては、

  • チームビルディングの促進: 相互理解が深まり、協力しやすい関係性が築けます。
  • コミュニケーションスキルの向上: 傾聴力や、相手の意図を汲み取る力、自分の考えを伝える力が向上します。
  • 創造性の刺激: 新しいアイデアが出やすくなったり、固定観念にとらわれずに物事を考えられるようになったりします。
  • 心理的安全性の向上: 失敗を恐れずに発言・行動できる雰囲気が醸成されやすくなります。
  • ストレス軽減: ポジティブなコミュニケーションが増えることで、職場でのストレスが軽減される効果も期待できます。 などが挙げられます。

Q3: 演劇経験がなくても参加できますか?

A3: はい、まったく問題ありません!インプロ研修は演技力を競うものではなく、ビジネススキルの向上を目的としています。経験豊富なファシリテーターが、初心者でも安心して楽しめるようにプログラムを進行しますので、ご安心ください。

Q4: どんな企業やチームに向いていますか?

A4: コミュニケーションを活性化させたい、チームの一体感を高めたい、新しいアイデアを生み出す文化を作りたい、心理的安全性の高い職場を目指したい、と考えている企業やチームには特におすすめです。部署や役職に関係なく、多くの人に効果が期待できます。

Q5: 研修の効果はどのように測れますか?

A5: 定量的に測るのは難しい部分もありますが、研修後のアンケートで参加者の満足度や意識の変化を確認したり、研修後のチーム内のコミュニケーションの変化(発言が増えた、会議が活発になったなど)を観察したりすることで、効果を感じられることが多いです。


今回はインプロ研修についてお話ししてみました。少しでも皆さんの参考になったら嬉しいです!

もし、インプロ研修についてもっと詳しく知りたい!と思ったら、気軽にお問い合わせくださいね。


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