日本即興コメディ協会のブログ

Google が突き止めた生産性を高める唯一の方法「心理的安全性」 の作り方

google 即興コメディ 生産性

Google が苦労して突き止めた生産性向上の方法とは

先日終了しましたユーモアスキル養成講座の最終回とインプロワークショップは神回だったと自負しております、日本即興コメディ協会の加古です。SNS 上でもシェアする方を多く見かけるなど話題になった「Google が突き止めた生産性を高める唯一の方法」の実現について考えてみました。

Google が言う生産性を高める唯一の方法「心理的安全性」

現代ビジネスの「グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ」によると、グーグル社は生産性向上のため「Project Aristotle」を立ち上げ、社内の数百とも言われるプロジェクトチームを様々な角度から分析、より生産性の高い働き方を見つけようとしました。 詳細は、本記事をご参照いただければと思いますが、その結論を

 

社員一人ひとりが会社で本来の自分を曝け出すことができること、そして、それを受け入れるための「心理的安全性」、つまり他者への心遣いや共感、理解力を醸成することが、間接的にではあるが、チームの生産性を高めることにつながる。

グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ」, 現代ビジネス, 2016年03月10日

 

とし、壮大なプロジェクトが導き出した答えは「心理的安全性が間接的にチームの生産性を高める」ということでした。

 

 

 

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「心理的安全性」を築くことは難しい?!

 

そして、Google 社がその方法を模索する中で、ある 社員の病気の告白によってチーム内に心理的安全性を構築することができ、本音で話し合えるようになり、その後チームは上手く行ったという例を挙げています。

 

確かにインパクトのある例で「心理的安全性」について理解できました。しかし同時に、このような方法で全てのチームリーダーがこの「心理的安全性」をチーム内で築くことは難しいのかも知れないと感じました。

 

様々なタイプのリーダーがいるので、急に「さぁ、心を割って話そうじゃないか」と言われても容易に話せないタイプの方やそんなチームの雰囲気ではない、というのは致し方ないことなのかなと思います。メンバーもそう簡単には変われないでしょう。

 

「心理的安全性」とインプロ(即興演劇/即興コメディ)

 

その一方、この記事に別の思いを抱いた方々もいます。それはインプロ(即興演劇/即興コメディ)の関係者ではないでしょうか。なぜなら、その原則として「心理的安全性の創出」にインプロが非常に重きを置くからです。

現代ビジネスの記事では、

 

他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっているというのだ。

 

とあり、更にこの記事の元となった The New York Times Magazine の原文では、もう少し詳しく説明されています。

 

…the good teams all had high ‘‘average social sensitivity’’ — a fancy way of saying they were skilled at intuiting how others felt based on their tone of voice, their expressions and other nonverbal cues.

What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team“ The New York Times Magazine, FEB. 25, 2016

 

「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」、更に「skilled at intuiting how others felt based on their tone of voice, their expressions and other nonverbal cues.(声のトーンや顔や目の表情、言葉以外の手がかりで他人がどう感じているかを直感するスキル)」と記されており、これらはまさに即興コメディの基本のことを言っていると、私は感じました。

 

相手の動作を真似るゲーム「ミラー」

 

即興コメディワークショップでは、これらのスキルや気づきに焦点をあてたゲームを多く実施します。例えば「ミラー」というゲームがあります。他人と面と向かって1分~数分間相手の動作を真似るゲームです。

 

短い時間ですが、言葉なしに相手に動作を提案し、真似をするのは結構苦しいものです。

しかし、その場は苦しいものの普段相手をどれだけ見ていないか、相手に集中できていないかということをこれでもかと気付かされます。

そして、「ミラー」実施後のコミュニケーションがスムーズなのに驚かされます。これらはお互いに相手を観察し、コミュニケーションの焦点を「自分」ではなく相手にすることにより、お互いの「心理的安全性」が高まったことによるものだと考えられます。

 

ご参考までに、ダニエル・ピンクも著書「人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する! (講談社+α文庫)」で、1章を割いてインプロについて紹介しています。その中で彼もこの「ミラー」の体験について語っています。

 

台本のない世界での「心理的安全性」の重要性と基本精神

 

即興コメディの世界では、パフォーマーの「心理的安全性」をとても大切にします。それは、台本のない世界で「心理的安全性」がないと、そのショー自体が上手く進まないからです。

 

ショーの性質上もちろん緊張やプレッシャーがあることは仕方ないのですが、「リスクをとって発言しても必ず受け入れられる」、そんな雰囲気を作らないかぎり、台本のないコントに飛び込むことできません。

 

そこで、即興コメディでは「心理的安全性」を構築するための基本精神がありますのでご紹介します。

  • Yes, And:「Yes」肯定で相手を受け入れ、「and」自分のアイデアを付け足して返す
  • Make Your Partner Look Good :(自分ではなく)相手をよく見せる
  • Active Listening : アクティブ・リスニング/傾聴する
  • Nonverbal Communication : ボディランゲージなど言葉以外でも表現できる、気づく

実は、Google 社をはじめとする革新的な企業や起業家を排出する大学は今回の研究結果が出る何年も前から即興コメディのワークショップを積極的に取り入れています。

今後は研究結果を元にチームの「心理的安全性」を高めることに即興コメディワークショップを更に活用するのではないかと、容易に想像できます。

 

即興コメディを使って、チームに「心理的安全性」をもたらすことにご興味がおありであれば、当協会のインプロ研修、及びユーモアスキル養成講座のご受講をご検討ください。カスタム・ワークショップも実施可能ですので、気軽にお問い合わせください。

 

 

12月29日(金)ワークショップ開催決定!「笑いの力で心理的安全性を作る」
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